『 訪問看護に興味はあるけど..未経験でも大丈夫？ 』
『 病棟と違って1人。急変時に自分ひとりで対応できるだろうか？ 』
そんな不安を抱く看護師の方は多いのではないでしょうか。

実は、訪問看護は未経験からでも挑戦しやすい分野です！
在宅医療の需要が高まる中、病院勤務とは異なる魅力ややりがいを求めて転職する看護師が増えています💡

この記事では、訪問看護の基本的な役割・仕事の流れ・求められるスキル・キャリアアップの可能性までを分かりやすく解説します。
未経験から安心してスタートするためのポイントを一緒に見ていきましょう。

◆｜訪問看護は未経験でも挑戦できるのか？

訪問看護の基本的な役割と目的

訪問看護の目的は、利用者が自宅で安心して療養生活を送れるよう支援することです。
看護師が利用者の自宅を訪問し、医療的なケアや健康管理を行います。
ちなみに、『自宅』とは家や施設も含みます。
主な業務内容には以下のようなものがあります。

☑ 健康状態の観察（バイタルサインや心情など）
　「いつもと違う」に気づき、主治医などのチームへ早めに報告・連携することが大切です。表情や発言、身体状況のわずかな変化をキャッチする力が求められます。

☑ 服薬管理や点滴・処置
　主治医の指示で医療的な処置を提供し、自宅で安心して療養生活が継続できるよう支援します。褥瘡処置、スキンテア処置、膀胱留置カテーテル留置、点滴管理、胃ろう管理、インスリン管理、与薬、浣腸処置など多岐にわたります。

☑ 療養上の世話（生活支援)
　利用者の「強み」を尊重しながら、安心できる療養生活を一緒に考えます。意思決定支援が重要となります。支援者の「こうあるべき」ではなく、利用者や家族の「こうありたい」に耳を傾けています。

☑ リハビリの補助
　理学療法士や作業療法士、言語聴覚士と連携し、できることを増やしたり、できる期間を長くしたりなどの支援を行います。これらリハビリ職が不在の訪問看護ステーションでも、看護師がリハビリを提供することがあります。『リハビリ＝機能訓練』ではないので要注意ですね。高次脳機能障害の方への作業療法などもまさしくリハビリになります。

☑ 精神的なサポート
　傾聴・共感・不安の軽減・孤独感の緩和で“寄り添う存在”であることが、最大の支援です。病める人々はそれぞれ不安や悩みは異なります。だからこそ個別性のある関わりを一緒に考えています。

☑ ターミナルケア（看取りの支援）
　利用者の価値観や人生観を尊重し、その人らしい最期を過ごせるよう関わっています。主治医だけではなく、ケアマネジャー、ヘルパーと協働してチームで看取りケアを行います。家族の不安や負担も大きいため、自宅での看取りは家族への配慮や心的ケアも重要となります。

☑ 家族へのケア・相談対応
　ご家族も“ケアの対象”。利用者のキーパーソンである家族こそが最も精神的にも身体的にも負担が大きくなります。家族看護も重要となります。

☑ 多職種との連携・情報共有
　地域包括ケアシステムの一員として、主治医、ケアマネジャー、ヘルパー、民生委員、自治体、地域住民などのインフォーマル支援とも連携を取っています。

医療的支援に加えて、生活の質（QOL）を高める支援や、ご家族の不安軽減も重要な役割です!
そのため、訪問看護では医療スキルだけでなく、人との対話力も求められるわけですね。

◆｜未経験者が訪問看護に求められる資質

訪問看護の現場では、利用者一人ひとりに合わせた柔軟な対応が必要です。
特に未経験者に求められる資質は次の3つです。

１．コミュニケーション能力：利用者や家族、他職種と信頼関係を築く力
２．柔軟性・適応力：多様な状況に臨機応変に判断・対応する力
３．チームワークを大切にする姿勢：医師・リハビリ職・ケアマネジャーとの連携
これらの資質が揃うことで、訪問看護師として求められる基盤が揃います！

「スキルや経験は必要ないの？」という声が聞こえてきそうですね。もちろんスキルや経験があった方が良いのは良いのですが、特別な経験よりも、「人と向き合う姿勢」が最も重要なのです！
スキルは訪問看護ステーションに入職してからでも獲得できるし、経験も積んでいくことができます。ただ、人柄や人間力というのはなかなか変えることも難しいし後天的に獲得するのも難しいですよね。
だからこそスキルや経験よりもまずは「人と向き合う姿勢」が訪問看護に求められる資質になりえます。

◆｜訪問看護の仕事の流れと日常業務

訪問看護師の1日のスケジュール

訪問看護師は1日の訪問スケジュールの作成や確認から始まります。同じ曜日や時間でスケジュールが組まれていることが多いので、訪問ルートをまず確認していきます。
利用者の状態に応じて当日の朝に臨時的に訪問時間を調整することもあります。
前回訪問の記録や注意事項を確認し、訪問にてケアを提供していきます。

主な流れは以下の通りです
1.朝のミーティング・訪問先リストの確認
2.必要な医療器具や薬品の準備
3.各家庭への訪問（1日5〜7件程度）
4.都度ケア内容の記録・報告
5.チームミーティングや情報共有・終礼

訪問時の注意点と準備

☑ 必要なケアや衛生材料のチェックを事前に行う
☑ 訪問先の安全確認（駐車場、段差・ペット・環境など）
☑ 利用者・家族との丁寧なコミュニケーション

準備を怠らないことで、訪問中のトラブルを防ぎ、安心して看護を提供できます。

◆｜訪問看護と病棟看護の違い

アプローチの違い

病棟では医師主導の治療が中心ですが、訪問看護では利用者の生活に寄り添うケアが中心です。
家庭環境を考慮し、利用者本人の意思を尊重した看護計画を立てます。

勤務環境の違い

訪問看護では、スケジュールに柔軟性があり、自分のペースで働ける点が魅力です。
一方で、単独行動が多いため孤独を感じやすい側面も。
そのため、チーム内での報告・連携・メンタルケアがとても大切になります。

◆｜未経験者が訪問看護の求人を探す際のポイント

教育制度・研修体制を確認

訪問看護は専門性が高いため、教育制度が充実している職場を選ぶことが重要です。

☑ 研修の頻度・期間
☑ OJT（同行訪問）の有無、期間
☑ 先輩看護師や管理者のフォロー体制
安心してスタートできる環境かどうかを見極めましょう！

職場の雰囲気とチームサポート

実際の職場見学もおすすめです！
スタッフ同士のコミュニケーションやサポート体制・制度がしっかり整っているかを確認することで、働きやすい環境か判断できます。
「チームで助け合う文化や制度」があるかどうかが、長く働ける職場選びのポイントです

◆｜訪問看護に向いている人の特徴

コミュニケーション能力が高い人

利用者や家族との信頼関係を築ける人は、訪問看護に向いています。
医療内容を分かりやすく説明し、ご家族の不安を軽減できる力が求められます。

柔軟な思考・問題解決力がある人

訪問現場では、予期しない状況に直面することがあります。
その場で判断し、最適な対応を取るための柔軟な思考“アセスメント力”が必要です。

◆｜病棟と違う、訪問看護のメリット(魅力）

一人ひとりの患者さんと“深く関われる”

病棟では多くの患者さんを同時に担当し、入退院の入れ替わりも早いですが、
訪問看護では同じ利用者さんと長期間関わることができます。

✨ 病状の変化だけでなく、生活の中の小さな変化にも気づける。
✨ 「あの時より表情が明るくなった」「ご家族の負担が減った」など、
✨ “生きることに寄り添う看護”が実感できます。

自分の判断力・看護の力が磨かれる

訪問先では医師がいないため、看護師が状況を見て判断・対応する場面が多くなります。

✨「自分で考えて動く力」が身につく
✨ 観察力・アセスメント力・説明力が自然と伸びる
✨ 看護師としての“自立した力”が育つ

利用者さんの「生活」を支える実感がある

病棟では治療中心の看護が多いですが、
訪問看護は「生活そのもの」を支えるケアです。

✨ 食事・排泄・服薬・家族関係・住環境など、“その人らしい暮らし”をトータルで支援できる。
✨ 治療だけでなく、「その人の人生」に関われるやりがい。

日勤中心でワークライフバランスが取りやすい

訪問看護は基本的に日勤中心（9:00〜17:00、8:30～17:30など）。
夜勤がない分、生活リズムが整いやすいです！

✨ 家庭や子育てとの両立がしやすい
✨ 休日出勤やオンコールもチームで分担できる職場が増えている
✨ チーム制を導入しているステーションでは、有給休暇や子供の体調不良など急な休みも取りやすい

◆｜未経験から訪問看護へ転職する前に準備しておきたいこと

未経験から訪問看護に挑戦する前に、少しずつ「在宅看護の基礎」を学んでおくと安心です💡
知識だけでなく、“心構え”を整えておくことで、働き始めたときの不安をぐっと減らせます。

在宅医療・訪問看護の基本を知る

訪問看護は医師の指示書に基づいて行われる「医療保険」「介護保険」それぞれのサービスです。
利用者の年齢や疾患、生活環境によって支援内容は異なります。
看護協会や自治体の研修、YouTubeなどでも学べる資料が豊富にあります。
「訪問看護ステーションの1日」「在宅看護の実例」などの動画を見ると、実際の雰囲気がつかめます！

これまでの経験を整理し、自分の強みを明確にする

病棟での臨床経験は訪問看護でも大きな武器になります。基礎疾患の知識、 アセスメント、臨床推論、看護展開、急変対応、家族対応など、どんな経験も現場で必ず活きます。
自分が得意だったこと、やりがいを感じた瞬間を整理しておくと、転職面接でもアピールしやすくなります。
以下のような経験があるとさらに強みとなるでしょう。ぜひチェックしてみてください。

☑ 新人指導者
☑ 看護学生実習指導者
☑ チームリーダー
☑ 師長、副師長、主任などの役職
☑ 業務改善や看護研究
☑ 認定看護師、専門看護師、特定行為研修修了、その他資格

ステーション選びの情報収集をする

教育体制や雰囲気はステーションごとに異なります。
求人票だけでなく、見学やSNSで現場の空気感をチェックするのがおすすめです。
“同行訪問の期間はどのくらいか“”相談しやすい環境か“”フィードバックやカンファレンスの機会があるか”安心して働ける環境を選ぶことが、長く続ける第一歩です。

不安を抱えるのは“あなただけじゃない”

「自分にできるかな」という不安は、誰もが通る道。
大切なのは、困ったときに相談できる環境があるかどうかです。
訪問看護は“1人で訪問しても、1人じゃない仕事”。
チーム全体で支え合いながら看護を届けます。

◆｜訪問看護でのキャリアアップの可能性

スキルアップのチャンスが豊富

訪問看護では、実践を通して多様なスキルを磨けます。

将来的なキャリアパス

経験を積むことで、以下のような道も開けます✨

☑ 管理者・教育担当としてステーションを支える
☑ 緩和ケア・認知症ケアなど専門領域への特化
☑ 独立開業して自分のステーションを運営
訪問看護は、看護師としてのキャリアの幅を広げるフィールドです。

｜まとめ｜病棟経験は、訪問看護で必ず活きる。あなたの看護が“暮らし”を支える力に

病棟で培った観察力や判断力、そして患者さんを思う優しさは、

訪問看護でも大きな力になります！

最初は「一人で訪問するのが不安」「在宅ケアの知識がない」と感じるかもしれません。
しかし、訪問看護は未経験からでも安心して始められるサポート体制が整っており、
一歩ずつ経験を積むことで、確実に自信へと変わっていきます。

訪問看護の魅力は、“治す”だけでなく“生きること”を支える看護。
一人ひとりの人生に寄り添い、
“その人らしい暮らし”を支えるやりがいに出会えるはずです。

病棟での経験を活かして、
これからは地域で、暮らしのそばで看護を届ける一歩を踏み出してみませんか？

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